天へ
このふた月の間に、父方母方、両祖母が天に召されてゆきました。
あまりに唐突に、立て続けに、
そして遠く離れているときにお別れせねばならず、
まだ悲しみを実感できないのです・・・
東京公演を約ひと月後に控え、
歌の中に身を投じ、身体ごと、魂ごと歌う日々の中で。
でも不思議なのです。
音楽の中にいると、距離や時間、言葉や文化、そしてまた生死の世界まで超えて万物とつながっていられるようで。
歌うことで、
音楽の調べの中、
万物を愛し、つながっていられたら。
歌の中で生きている祖母を感じ、
溢れる涙を、感謝を祈りに変えながら。
今は失った悲しみより、
受け取ったかけがえのない大きな愛情への
その感謝だけを胸に、
強く生きて、歌っていたいのです。
父
私の父は・・・
とても真面目です(笑)
そして私はこっそり、ちょっと「芸術家」だと思っています。
それは心が優しくきれいで繊細なぶん、時に世間と馴染めなかったりするけれど、
趣味である写真を通して、日常のあらゆるシーンを通して感ずることができます。
父は地方公務員として心身障害者施設に勤めました。
残念ながら直接父の働く姿を見る機会はありませんでしたが、
24時間体制の仕事のため、交代制の不規則な勤務時間に合わせ心身を調整しつつ、淡々と働き続けてくれた父の姿を誇らしく、また感謝とともに見て育ちました。
週末や長期休暇の際などは必ずと言っていいほど私たち子どもをどこかへ連れて行ってくれました。一家5人そろって同じ思い出がある、それは本当に幸せなことなのですね。今改めて思います。
私は言葉を覚えるより先に、歌を歌っていました・・・
家にはいつも音楽が流れていて、
それは特に「童謡」や「唱歌」が多かったように思います。
もちろんユーミンや森山良子さん、加藤登紀子さん、南こうせつさん、さだまさしさんなど、父世代の歌手の歌うフォークソングも!
気が付けばいつも、どこでも歌と一緒でした。
父が音楽に親しんできたのは小学校の時の音楽の先生、長男の純夫おじちゃんの影響が大きかったと言います。
ギターや、ピアノだってちょっと奏します。
私が父をこっそり「芸術家」だと思っているのは、
こんなふうに歌や、写真や、趣味を通して、人生に豊かな世界を求めてやまない人だから。
私がこれまでちょっとした岐路に立った際、常識や(笑)小さな枠にはめ込まず、自由に羽ばたけと、さりげなく背中を押してくれたのも父でした。
今私がこうして歌っている背景には、そんな父の存在があります。
今朝は語学学校がお休みで、時間がぽっかりでき、
ふと父のことを書こうと思いました。
みなさまのお父様はどんな方でしょうか。
大切な父へ、
そしてみなさまのお父様へ、
胸いっぱいの感謝をこめて。
くれぐれも身体には、気を付けてね。
奈穂
San Valentino alla trattoria ENZO
響
昨夜、暑い真夏のRomaに戻りました。
胸いっぱいの感謝と希望とともに・・・
先週3日の土曜日、名古屋公演がお陰をもちまして盛会に終わりました。支えてくださったみなさま、ご来場くださったおひとりおひとりに心より感謝申し上げます。
地元ではじめてのコンサート。
会場はちょっと背伸びして、ずっとその音響の素晴しさに憧れていたホールを選びました。
響・・・
私の声が、身体が、音楽がその空間に開放され、そしてすべてが心地よくひとつになるような。
「声であなたを包み込むことができたら・・・」
私の夢はこうして叶えられたのです。
もっともっと音楽を技術を磨きたい・・・同時に課題も与えてくださいました。
来年も同じ頃また、この場所で歌います。
きっとまたお会いしましょう!
8月のRomaはVuota=からっぽ。
暑いのでみなヴァカンスに海辺へ行っているか、生まれ故郷へ帰省しているから。
静かなうちに、遊ばないで勉強に打ち込もうかしら(笑)。
この暑い夏を味方につけて。
戸隠
自然と人と神さまが共存するところ
本当はきっとどこもそうなんだけれど
ここへ来ると思い出す
その心地よさを、喜びを
・・感謝を
10年ほど前、ここをはじめて訪れて
すっかり魅了された・・・それからずっとここへ「帰ってくる」ようになって
そしていつかここで歌えたらと思うようになった
戸隠公演、第一回目はこちら「ランプ」さんで去年の夏
そして今年は別の会場で第二回目を
でも終わった後はやっぱり「ランプ」に集う
ここからすべてがはじまったから・・
みんなでつくったすてきなコンサートでした
今も私の心にはひとりひとりの笑顔の花が咲いていて
まるでお花畑にいるよう
部屋中に飾った花もその花々にはとてもかなわない
終演後、帰り際にみなさまがささやいてくださった言葉
「来年も帰ってきてね」
どんなに嬉しかったことでしょう!
・・・きっときっと
だってまたお会いしたい
あなたの笑顔に
その心に
だから・・・
今年はさらに嬉しいことがあって、
戸隠公演の翌日、長野市内の盲学校でもコンサート
ここでもみなさんと音楽を通してかけがえの無い時間をともにさせていただけて
本当に幸せでした
帰り際、私たちの車が角を曲がるまで、
手を振り大きな声で見送ってくれた声が
今もわたしの心に響いています
ありがとう・・・
心から