言葉

 

Ricordi ancora il di' che c'incontrammo; le tue promesse le ricordi ancor?

Folle d'amore io ti seguii, ci amammo, a accanto a te sognai, folle d'amor.

Sognai, felice, di carezze e baci una catena dileguante in ciel.

Ma le parole tue furon mendaci, perche' l'anima tua fatta e' di gel.

Te ne ricordi ancor, te ne ricordi ancor?

Or la mia fede, il desiderio immenso,

il mio sogno d'amor non sei piu' tu:

I tuoi baci non cerco, a te non penso;

sogno un altro ideal; non t'amo piu'.

( Carmelo Errico )

 

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言葉が好きだ。

美しい言葉に出会うと様々な角度からいろんな気持ちで眺め回す・・・まるで見たこともない美しい宝石を眺めるように。

そんな言葉が連なってフレーズになる。

そしてもうそれは「歌」なのだ。

       

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イタリアへ来る前もイタリア語をほぼ独学で学んでいました。

新しい曲に取り組むときはまず楽譜と辞書を片手に訳詞と照らし合わせながら一語一語の意味を書き込んでゆくところから。

そして音楽と言葉をひとつにしていくように歌い重ねてゆく・・・

けれどもいつも音楽と自分との間になにか「ぎこちなさ」を感じていたものでした。

 

 

それがイタリアと日本の二重生活も早4年が過ぎて、言葉も少しづつ身についてくると不思議、曲の聴こえ方が違ってきたのです。

例えばトスティの歌曲を聴く・・・

歌詞に用いられている表現法が、口語体ではなく文語体で、接続法や条件法がちりばめられて、また婉曲な表現であればこそ、歌い手の複雑な感情により奥行きが生まれ、音楽の色も深くなる・・・そしてそれが心に染みて知らず頬を涙が伝っているのです。

何か魂の奥深くから湧いてくるような・・・そんな感動。

 

言葉が感情を生み、

それが声に、

音楽に重なって響いたとき、

はじめて・・・歌になるのだと知りました。

 

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